

所在地
東京都大田区
主要用途
専用住宅 (将来 二世帯住宅)
家族構成
息子+両親
■ 設計
設計
survival design 須永 豪
構造
本岡構造事務所
プロデュース
ウィークエンドホームズ
施工
大明建設
■ 構造・工法
主体構造・工法
木造軸組工法
基礎
RCベタ基礎
■ 規模
規模
地上2階
軒高4,990mm
最高の高さ7,956mm
敷地面積
57.45m2(17.39坪)
建築面積
31.46m2( 9.52坪)
(建蔽率54.76% 許容60%)
延床面積
60.53m2(18.32坪)
(容積率105.36% 許容150%)
施工床面積
78.38m2(23.73坪)
1F床面積
29.06m2( 8.79坪)
2F床面積
31.46m2( 9.52坪)
小屋裏床面積
31.46m2( 9.52坪)
■ 工程
設計期間
2004年6月〜2005年7月
工事期間
2005年8月〜2006年3月
■ 敷地条件
敷地条件
第一種中高層住居専用地域
準防火地域
第一種高度地区
道路幅員
東4.0m 駐車台数0台
■ 外部仕上
屋根
カラーガルバリウム鋼板t=0.4mm
竪ハゼ葺き
壁
窯業系サイディングt=16
一部ヒバ縁甲板t=12 OF
開口部
アルミサッシュ (YKKap)
外構
コンクリート木ゴテ仕上
■ 内部仕上
和室
床 / 畳
壁・天井 / 和紙
居間
床 / ヒバ縁甲板t=24 OF
壁 / 漆喰塗りt=13
天井 / 桐集成板t=9 無塗装
寝室
床 / ヒバ縁甲板t=24 OF
壁・天井 / 漆喰塗りt=13
小屋裏
床 / 桐集成板t=25 無塗装
壁 / 桐集成板t=9 無塗装
天井 / スダレ張りt=3
■ 設備システム
空調
冷暖房方式 / エアコン
換気方式 / 換気扇
給排水
給水方式 / 上水道直結
排水方式 / 下水道直結
給湯
給湯方式 / エコキュート
■ 主な使用機器
衛生機器
TOTO INAX カクダイ ABC商会
厨房機器
桃ノ木製作所
家具
テーブル・カウンター収納
:家具工房ma-GU
照明
マックスレイ 遠藤照明
松下電工
建築金物
家具工房ma-GU 堀商店
和紙
木曽アルテック
スダレ
大貫商店
■ 工事費
総工費
2300万円(外構・設備等すべて含む)
坪単価
93万円
周囲を建物で囲われた17坪の土地での建替え。
建物南側の角2つを切り落とし先端が三角形の平面とした。南壁面を住宅街のグリッドに正対しないよう45°振り分け、南東と南西に向けることで、密集地であっても視線が遠くに向かう。この敷地は西側には巨大マンションが立ちはだかっているが、幸い高台にあり南東側に多少開けているので、街路の隙間から陽光と眺めを狙うことにした。南東の窓から朝の光を取り込む『朝の家』である。
クライアントは30代の息子さんと60代の両親。息子さんが結婚すれば2世帯住宅となるよう1階を親世帯、2階・小屋裏を子世帯として計画し、2階にもキッチンを増設できるようにしている。
建築面積9.5坪の小さな2世帯住宅なので、建築の容量は斜線の許容最大限を確保した。内部では心理的な奥行きを引き出すため、フラットバーの鉄骨階段・ルーバ状の根太・小屋裏のスダレ天井というように、気積を流動的に連続させ空間を段階的に分節している。朝陽を取り入れるため三角に切り落とした壁面は空間の行き溜まりをなくし、意識は建築の外部へと流れる。
このような小さな建物では素材とディテールが常に人のそばにある。そのため素材は肌に馴染むものとし、床は24mmのヒバ、壁天井は13mmの漆喰や無垢の桐をはぎ合わせた集成板などにした。ディテールでは人の本能的な安心感を重視した。たとえば戸袋への引き込み戸は、指を詰めてしまう不安を与えないよう引手部分を木端側まで切り落とした。また、まどろっこしい回転引手は用いずに、建具を引き込んだ状態でも直接引手をつかめるような形状にし、革を巻いた。
小空間・バリアフリーを意識していくつかのディテールを試みた結果、それは老人に限らず誰にとっても迷わず直感的に使えるものとなった。
都市部・狭小地・2世帯というプログラムは今後も増えていくだろう。『朝の家』はそのひとつの答えである。
■水廻りについて
水廻りでは使い勝手と掃除の問題が常についてまわる。「朝の家」では、60代のご両親が今後生活していく上での操作性を視野に入れ、迷わず直感的に使えるよう考慮した。掃除についてはもちろん楽に越したことはない。デザインの犠牲とはならずきれいに維持できるよう工夫している。
水栓は壁付けの単水栓を基本とした。混合水栓だと湯や水に替わるのを待たなくてはならないまどろっこしさがあるので湯と水それぞれに単独の水栓を設け、汚れや水滴が水栓の根元に溜まらぬように壁付けにしている。また、蛇口は汚れた手や握力の弱い高齢者でも操作しやすいレバー式を基本とした。浴室では、冷たいシャワーを間違えてかぶってしまうことが無いよう、カランへの切換えはなくシャワーのみである。
キッチンカウンターはメンテナンスを考慮しコーキングを使わない納まりとしている。壁との取り合い部はステンレスカウンターを折り曲げツバを立ち上げた状態でセットし、あとから壁のキッチンパネルを張り被せている。カウンター面はフラットに仕上げているが、水滴などが手前に垂れてこないよう傾斜をとり壁側に向かって7mm下げてある。IHヒーターは高齢者でも使いやすいよう、ガスコンロ感覚で操作でき操作ボタンの少ない製品を採用した。
住宅の機能・性能はどんどん進化してゆくが、必要な便利さを見極めることも必要であろう。住宅は、人が生まれて老いてゆく場である。