| □index□ ■column■ |
| 評論を読んだら、『愛』とか『純愛』っていっぱい書いてあった。 サブイボ出ちゃった。 この映画は、紐でつながれた美しい男女が、満開の桜並木を抜けていく そういう映像だけのイメージが先にあって、物語はそれをを成り立たせるために、後からつけられたという気がする。 確かに、その絵の美しさは、それはもう言葉では到底表現できない美しさだった。 ただ、テレビコマーシャルとか特番で、美しいシーンは全部もう見ちゃっていて、新鮮な驚きはなかった。 予備知識なしで、まっさらな頭で見てたら、感動のサブイボ出っ放しだっただろうに。 勿体ないことをした。 北野武は、いつも物語が乾いている感じがする。 冬の湖に張った、うすーい氷のような。 不純な物が混ざらない、限りなく透明な純粋さと、硬さと、その硬さゆえの脆さと、触れれば身が切れる鋭さ。 『情感豊か』とは正反対にあるような淡々とした物語。 でもその淡々さが冷淡といってもいいほどに徹底しているから、ある瞬間人の心が表に出る場面があったりすると、すっとこちらの心に深く入ってきてしまう。 そういえば、彼はインタビューで、 「暴力をしっかり描かないと、愛情も描けない。片一方すごく極端なことをしていないと、その反対側は見えてこない。」と語っていた。 彼の映画は、希望の光に満ち溢れてはいないけど、人が生きてることの美しさは、痛いほど心に染み込んでくる。 |
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